2024年4月29日に一時1ドル=160円台とおよそ34年ぶりの円安・ドル高水準を付けました。
ニュースでよく目にする「円高」、「円安」ですが、どちらがどのように違うのかよくわかっていない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、「円高」と「円安」がどのようなものなのか、メリットおよびデメリットやそれぞれの影響、対策について解説します。
目次
円高・円安とは?
まず、「円高」、「円安」は円に対する相対的な価値を指します。
例えば、100円で買えたおにぎりの価格が110円に上がった場合、おにぎりの価値が上がったと言えます。
これが通貨の場合(円とドル)、円をドルと交換する際に、
どれくらいのドルと交換できるかによって、円の価値を判断することができます。
世界には様々な通貨が存在しますが、通貨の価値は別の通貨に対する相対的な価値であり、
円高は日本円の価値が外国通貨に対して上昇することで、円安は日本円の価値が外国通貨に対して下落することを指します。
〈要約〉
- 円高=外貨の価値<円の価値
- 円安=外貨の価値>円の価値
それでは、円高、円安について以下で詳しく解説していきます。
物に例えて解説
さらに分かりやすく、おにぎりの価格に例えて「円安・ドル高」が進んだ状況で解説すると、
- 2021年1月(1ドル=およそ100円)、1ドルのおにぎりは日本円で100円
- 2024年1月(1ドル=およそ140円)、1ドルのおにぎりは日本円で140円
どちらも同じおにぎりですが、購入する時期により40円もの差があります。
おにぎりですら40円もの差があるため、より高価なものであればさらに円高の影響は大きくなります。
また、「円高・ドル安」が進んだ状態であれば上記とは逆の状況となります。
円高・円安どちらがいいの?
円高と円安の通貨価値の違いについて紹介しましたが、
結局、円高と円安どちらがいいのか、気になりますよね?
結論、皆様の立場によって善し悪しが違います。
どうして立場によって変わるのか、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
円高のメリット
円高のメリットは、外国の商品やサービスが安く購入できることです。
輸入食品や輸入製品の価格が下がることで、輸入コストが安くなり、結果的に輸入産業にとって大きなメリットと言えます。
また、海外旅行へ行く際も円高であれば、より安い価格で旅行することができます。
円高のデメリット
上記メリットの反面、外国にとって日本の商品価格が上がります。
価格が上がることで日本の商品が外国で売れにくくなり、輸出企業の業績悪化につながります。
また、外国の観光客も円安の状況に比べ減少するため、インバウンド事業の業績悪化の懸念があります。
円安のメリット
円安のメリットは、日本の商品やサービスを外国へ安く販売できることです。
円安は外国にとって日本の商品やサービスが安くなっている状況のため、輸出企業にとって大きなメリットと言えます。
また、外国人旅行者の増加にもつながるため、インバウンド事業にとってもメリットにもつながります。
円安のデメリット
上記メリットの反面、主に輸入品の価格が高くなります。
そのため輸入コスト増加につながり、様々な品目の物価が上がります。
日本では多くの食料や衣類を輸入に頼っており、支出増加につながります。
現在(2024年5月時点)の状況
円高、円安による社会への影響について紹介しましたが、日本の今の状況ついて少し深堀します。
まずは下のチャートをご覧ください。
【ドル/円チャート2023年4月~2024年5月】
およそ1年前の2023年4月の時点ではドル/円価格がおよそ130円だったのに対し、現在(2024年4月)の時点では157円台と円安となっています。
ここ数年、円安が進んでいるため、値上げラッシュなど、物価上昇に関するニュースをよく聞くようになりましたね。
このように円安時は輸入品のコストが高くなる影響で様々な生活品目の価格が上昇するため注意が必要です。
円安の原因
円安の主な原因は、以下になります。
1.金利差
日本の金利が非常に低い一方で、他の国々、特にアメリカでは金利が高く設定されています。
この金利差により、投資家はより高いリターンを求めて日本円を売り、他国の通貨を買う傾向にあります。これが円の供給を増やし、価値を下げる要因となっています。
2.経済政策
日本銀行の金融緩和政策や政府の経済政策が、長期にわたって円安を促進しています。
特に、量的緩和などの政策は市場に円を供給し、その価値を下げる効果があります。
その他にも、貿易収支や投機的な取引など様々な影響で円安が進む可能性があります。
円安の対策方法
どんどん進む円安への対策として、政府や企業レベルの対策から消費者としての対策まで様々ありますが、
今回は消費者(個人レベル)での対策についてご紹介します。
1.節約
もっとも簡単かつすぐに実施できる対策として「節約」があります。
物価の上昇に対応するため、日々の生活費を見直し、無駄な出費を減らすことが重要です。
2.収入の増加
さらに高収入への職場への転職や副業を始めるなどして、収入減を増やすことで物価上昇へ対応できます。
転職となると敷居は高いかもしれませんが、副業であれば簡単なポイ活などからスタートできるため、どなたでもチャレンジ可能と考えられます。
3.資産運用
円安は円の資産が多ければ多いほど影響を受けるため、外貨資産や株式投資など、円以外の資産を持つことで円安へ対策することが可能です。
ただ、節約や転職・副業などと違い、持っている資産が元本割れする可能性もあるため、慎重に運用する必要があります。
まとめ
以上、今回は「円高・円安」の違いやそれぞれの影響と対策について解説しました。
円高は日本円の価値が外国通貨に対して上昇すること、円安は日本円の価値が外国通貨に対して下落することです。
現在の日本は円安の状況であり、輸出企業やインバウンド事業にとっては好都合ではありますが、日々生活する上では様々な品目が値上げされております。
無理のない範囲で節約、転職・副業、資産運用などの対策を行うことが大切だと考えております。
最後までご覧いただきありがとうございました。